「夏の庭、少年の庭」

北海道は6月7月と低温に長雨がかさなり、残念ながら夏はまだ来ていません。農作物の被害も大きいようです。わが家でも毎年楽しみにしている睡蓮が、春には小さな蕾をたくさん付けていたのが少しも大きくならず、結局一個だけが小さな花をつけただけ。残った蕾もこれから膨らむ気配はありません。それでも他の植物たちは、不順な気候にもめげず意外なほど元気です。

 

そんな霧雨の降る朝、庭にトンボがたくさんやって来ました。季節は夏をとびこえて、いつの間にか秋に向かっているようです。

 

いま、庭はガクアジサイ、ミナヅキ、ギボウシ、フウチソウ、アスチルベ、ホップなど、山道を歩いていると出会えそうな、私の大好きな素朴な草花たちが勢揃い。春に作ったハンギングバスケットもカラーリーフのコウリスなど秋仕様に植え替え、花の少ないシックな庭になっています。

そんな中に、赤い実のレッドカラントとラズベリーが緑の庭に彩りを添えています。カラント&ラズベリーで赤いソースやジャムをつくり瓶詰めに。そのままの姿でも冷凍保存して、1年間デザートを華やかに飾ることが出来ます。

 

庭からのささやかな収穫です。

夏休みのいま、庭での懐かしい思い出があります。

 

息子が小学4年生の夏休みのこと。クラスメイトのM君が転校する事になり、仲良し3人組でわが家の庭にテントを張って、お泊りお別れ会をすることになりました。

 

夕食はもちろん庭でのジンギスカン、北海道の定番です。その後、花火をしたりなどなどで、いよいよテントでの就寝の時間。 私はテントの中で緊急事態が発生した時にそなえて、一番気配を感じ取れる客間の窓を全開にし、その窓の下で休むことにしました。  

 

そして、三人が寝つくまで時々様子を伺いに行ったそのとき、テントの中から聞こえたきたのがなんと想像もしなかったカワイイ恋の話でした。私の耳は急にダンボ状態に。耳をすますと、転校するM君にはクラスに好きな女の子がいるらしく、その子と離れるのが寂しいと言うような話でした。ところが残念なことに、ほかの二人は幼すぎたらしく、M君の告白に何の興味もしめしません。おませなM君の恋の話は盛り上がることもなく、あっという間のボーイズトーク。当時大流行のファミコン話に楽しそうに移っていきました。

 

つわものどもの夢の跡。いまその庭には、トンボが飛びかっています。

 

2009.8.6